2024.05.28

その他

「取材実習」の取り組み

こんにちは。受験科講師の青山です。
受験科では「取材実習」と銘打って実習を行いました。
ご想像の通り美大受験予備校では日夜、石膏像や静物のデッサンや油絵や着彩や平面構成などでモノを正確に平面に描く方法や技術を昂めるために何度も何度も繰り返し反復し、反省しながら制作して基礎的な描写力を身につけ受験に対応出来得るよう指導しています。
しかしながら今回は自分自身で見つけたモチーフを自分の描きたいように描くことに主眼を置いて実習を用意しました。
本来は自分の描きたいものを描くために技術を学び、美大などで勉強しようと美大予備校に通うわけですが、毎日与えられたモチーフに向かい合っていると、どうしても元々の目的を忘れがちになることがあります。
絵を描くとはどういうことなのか、描く力とはどういうことなのか、そういったことを改めて考えてもらうことができたらなぁと考えながら実習を準備しました。

実習では2単位分の授業時間(1単位3時間半)を使います。

午前はアトリエの周辺を散策し、気になるもの、ちょっと心に引っかかったものを探してスケッチや撮影をします。
それを元に午後、アトリエで一枚のイラストボードに描き直しできないボールペンでドローイングすることにしました。
総勢12名の生徒に、私が試作した取材元とドローイングを見せながら実習の主旨を説明しました。

 

その後はみんなで外に出て私が描いた場所を見せながら話をします。

みんな毎日通る場所なのに全く気にもしていなかったと驚いています。

普段見ているようで人は様々なものを見逃していますよね。

そうしたものの中にも描きたいモノは見つかるものです。

説明を終えて解散するとみんな思い思いに四方へ散っていきます。
車や他人のプライバシーに十分注意して取材する範囲はアトリエから半径50〜100mくらいを指定しました。

 

 

午後からはアトリエでみんなドローイングに入ります。
紙とペンのみ。

下絵なし、描き直しなし。
画面への入り方や見せ方をしっかり考えて描かないとやり直しはできません。

みんな真剣に画面に向き合っています。

 

アトリエを回りながら選んだ場所やモノについて話を聞くと、それぞれの想いや視点があってとても興味深かったです。

描く時間は講評の時間を抜くと約3時間なので、見せたい場所を見せたいようにどんどん手を入れていかないと到底間に合いません。

ボールペンの均一的な線にもなかなか手こずっています。

 

講評ではそれぞれの視点が様々でバラエティ豊かな作品群が並びました。

みんないつもよりも「こういうふうに見せたい」という意思が強く出たと思います。
子どもの頃の思い出に触発されたもの、毎日の通学路の中で気になっていたもの。想い入れが強くなる分、描写も力強くなったと思います。
今回は制作の導入としての実習でしたが、ぜひこれからも制作に活かしてどんどん作品を作っていって欲しいです。

 

青山仁久 芸大美大美術系高校受験科 担当講師

(2002年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻 卒業

2004年 東京藝術大学大学院美術研究科絵画修士課程 修了)

記事の一覧へ